止水の大切さ
コンクリートは、拡大して見ると内部が空隙だらけ。
セメントと砂、砂利を固めたコンクリートの内部には「毛細管空隙」と呼ばれる非常に細かい空隙が多数あり、
そこから水、酸素、二酸化炭素、塩化物イオンなどが入り込んでコンクリートを劣化させてしまいます。
コンクリート構造物の劣化には多くの場合、水が関係しています。
水が直接劣化の原因になることもあれば、劣化を生じさせる化学反応に水が使われることもあります。
いずれにしても、劣化を防いで寿命を延ばすには「コンクリートを水から守ること=防水」が非常に重要です。
一般家庭での、水による不具合
水による不具合とは、以下に示す住宅(建築物)を取り巻く水により引き起こされる外壁、屋根、バルコニー、外部開口部等からの水の浸入、または設備機器・配管からの水漏れなどの現象の一つであり、室内仕上面を汚損し、または室内に水滴を発生させるものをいう。
<住宅(建築物)を取り巻く水>
- ①雨や雪などの降水
- ②設備機器・配管類の設備不良、破損、使用上の不注意等によって漏れた生活水
- ③地中に含まれる水分
- ④結露となってあらわれる大気中の水分
漏水は、日常生活での居住性に支障をきたすだけでなく、以下に示すように住宅の耐久性や構造安全性の低下や、カビ等の発生原因となる場合もある。
従って、漏水を発見した場合には、速やかに原因箇所を突き止めて必要な措置を講じることが重要である。
また、結露水による不具合は降水(雨水など)や設備機器・配管からの漏水などとは性格が異なるが、住宅においては漏水などと類似した不具合として生じることが多い。
<漏水などによりもたらされる影響>
- ①水のしみ出しによる室内部材、家財等の汚損(カビ、しみ等)、仕上材のはがれ等
- ②木材等の有機部材の腐朽
- ③鉄筋・鉄骨の錆発生
- ④乾湿の繰り返しに起因する材料の伸縮による変形等の不具合